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人的資本経営、いよいよ実践の段階へ

大手企業の8割は、人的資本経営の実施に向けて手を打っている――。日本経済新聞社 教育事業ユニットはワークス・ジャパン(東京・千代田)と共同で、大手企業374社を対象に「人的資本経営」調査を実施しました。2024年2月にまとめた結果から、大半の企業が体制整備に余念がないことが分かりました。

企業人の声が調査のきっかけ

人的資本経営とは人材を「資本」と位置づけます。人材価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげる狙いがあります。

では、なぜ人的資本経営をテーマに調査を実施したのか。これまで企業の幹部の方々と雑談するたびに、人的資本経営の推進や統合報告書作成に関連して、「他社はどうなっているのだろうか」「どういう優先順位で推進したらよいのだろうか」という言葉を投げかけられました。それならば、ということで今回、人的資本経営をテーマに企業調査を実施することにしたのです。

東証プライム上場の大手を中心にした理由

回答内容にできるだけ整合性を持たせたいと考え、調査の対象企業は従業員1,000人以上、もしくは東証プライム上場企業に絞りました。

集計結果からは、後継者育成計画を社外に開示する企業は1割に満たず、次世代リーダーの発掘・育成などにも課題を抱えていることが分かりました。人的資本経営は導入段階から、課題を克服して、精度を向上させる段階に入りつつあります。

中長期視点での配置が重要

調査で「異動・配置の課題」を聞いたところ、「中長期視点での人材配置」をあげた企業が最も多く、6割を占めました。2番目に多かったのは「社員の保有スキルの見える化」で、3番目に「人材ポートフォリオの作成」が続きました。長い目で見た的確な人材配置が、今後の経営課題となっています。

調査に関連してのお知らせがあります。今回の調査を踏まえ、2024年3月25日にHRエグゼクティブ特別セッションをオンライン開催します。追って、視聴方法をご案内します。

(村山浩一)

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