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人的資本経営時代のリーダーシップ

大学院でのリーダーシップ教育

リーダーシップは才能だけではない。教育によって高めることができる」。栗本博行・名古屋商科大学学長は指摘します。栗本学長はDX時代、AI時代のリーダー像について「よい問いをたてることが重要。そして、よい問いのためには、自分なりに答えを用意することが前提となる」と説明します。

リーダー育成に力を入れる同大学ビジネススクールでは、MBAとデータサイエンス系のMScという、経営管理と経営科学の2つの修士号を取得可能な「ダブル・ディグリープログラム」に取り組んでいます。海外主要大学と提携を結ぶ同大学ならではの試みと言えるでしょう。

「自分らしさ」を表現するリーダーシップ

リーダーシップを語る言葉はたくさんあります。ビジョン型、コーチ型、信頼関係型、民主型、ペースセッター型、強制型に分類する考え方もあります。

リーダーシップの考え方のひとつが、オーセンティックリーダーシップです。オーセンティック(authentic)とは「本物の」「真正の」という意味。だから、オーセンティックバーだと、正統派のバーを指すわけです。

オーセンティックリーダーシップに話を戻すと、「自分らしさ」を出したリーダー像を指しています。人まねでなく、自身の価値観や信念に基づき、リーダーシップを発揮することです。

オーセンティックリーダーシップは、ビル・ジョージ氏が2003年に著書「Authentic Leadership」で提唱した考え方です。同氏は医療テクノロジー企業のメドトロニックCEOや大学教授を歴任した人物。

日本でも「ミッション・リーダーシップ―企業の持続的成長を図る」「True North リーダーたちの羅針盤」「難局を乗り切るリーダーシップ―ハーバード教授が教える7つの教訓」「オーセンティック・リーダーシップ」などの著書が出版されています。True Northとは真に進むべき方向を意味しています。

オーセンティックリーダー 5つの特性とは

ビル・ジョージ氏が指摘したオーセンティックリーダーの特性は以下です。

・目的:自身が果たすべき目的を明確に理解する
・価値観:自身の価値観や倫理観に基づき行動する
・真心・情熱:本音で周囲と対話し、情熱をもって先導する
・信頼関係:周囲と良好な信頼関係を築く
・自律:自身を律し、学び続ける姿勢をもつ

いま改めてオーセンティックリーダーシップが注目されているのは、不確実性が高い社会だからこそ。創業者や中興の祖と呼ばれるリーダーは、自身の強いカリスマ性で組織をけん引するケースが多いでしょう。

しかし、カリスマ型のリーダーシップが、すべての組織にあてはまるわけではなりません。リーダーが北極星を定めて、そこに向かうストーリーを描こうとする。そのためには真心や信頼関係も重視する。人的資本経営の時代に、オーセンティックリーダーシップが再認識されるのは自然の流れかもしれません。

(村山浩一)

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