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幹部育成の重要性|偶然を必然に変える人事の腕の見せどころ

経営において大事なことは、会社の存続と発展です。経営の軸となる幹部の育成は時間がかかり、中長期的な視点が不可欠です。幹部となる人材に必要な資質や能力は何なのか、またどのように幹部人材を選んで候補を育成していくのか。研修や教育方法をお伝えします。幹部育成のセミナーを導入した企業の成功事例も紹介します。参考にしてみてください。

幹部育成が急がれる理由

幹部育成が急がれる理由

・社長・CEOの後継者計画議論は十分ではなく計画が整っていない

・役員のパイプラインが整っていない

・後継者・タレントの輩出が偶然の産物になっている

社長やCEOはどうやって決まるのでしょう。日経新聞の朝刊最終面「私の履歴書」で現トップから後継者指名を受けて、逡巡したり即決したりする企業経営者のエピソードをお読みになった方もおられるでしょう。長らく日本の企業社会ではトップの後継者指名は、現任者やOBの専権事項とされてきました。

しかし、「密室での協議」で決まったトップが本当に会社のけん引役としてふさわしいかどうか。アクティビスト(物言う株主)をはじめ、株主、社員、顧客、地域社会といったステークホルダー(利害関係者)が目を光らせているのが今の時代です。

いかに透明性を確保し対外的な説明責任を果たすか。人材プールをつくり、サクセッションプラン(後継者計画)を策定、社外も含めた指名委員会でトップを決める企業が増えてきました。

社長・CEO(最高経営責任者)の後継者計画づくりは焦眉の急

とはいえ、サクセッションプランをつくったり、指名委員会を設置したりしている企業が主流であると言えないのが今の日本の現状です。

先の見通せない時代、業績目標の達成状況や不測の事態により、急遽社長・CEO の交代が必要となることもあり得ます。このような状況変化に適切に対応し、緊急事態においても、経営の空白を作らず経営の安定性と持続可能性を確保するために、平時からあらかじめ備えておく必要があります。

次の次、次の次の次に備え、人材のプールをつくり後継者計画を整備するのは人事の責務です。

まずは幹部候補人材のプールづくり

事業の垣根を超え、いかに社内の優秀人材をピックアップするか。単にその事業領域で仕事ができるだけでは不十分です。人格見識含め将来、会社・組織を引っ張るに相応しい人材を集め、潜在能力を引き出す研修や配置が必要になります。

後継者計画・後継者指名の透明性を高め、ステークホルダーの信頼や納得感を得る必要があります。そのプロセスやそれを監督する役員の具体的な関与状況などについて、外部に開示しても支障がない範囲での情報発信も有益でしょう。

後継者・タレントの輩出が偶然の産物になっていないか

「何であいつが」「どうしてこいつが」――。昇進・昇格した人材が周囲からこう見られていたとしたらどうでしょう。仕事での成果は脇においても、「上司のお気に入りだったから」などと見られているとしたら問題です。

社員のエンゲージメントは高まらず組織のマイナスとなります。社内の誰から見ても一目置かれる人材。人材のプールから絶えず優秀人材を汲み上げ、後継者計画というパイプラインを通じて経営者に育成する。人事の役目です。

幹部となる人材に必要なスキルや適性

ビジネスの世界では常に変化が求められます。幹部候補となる人材に求められるのは、経営理念や経営ビジョンを持ち将来を見据えた戦略的な思考力や問題解決力、リーダーシップ、コミュニケーション能力などです。

さらには、目標達成に向けた多角的な視野、決断力、行動力、志も必要になるでしょう。

幹部候補となる人材に求められるスキルや適性
・経営理念や経営ビジョンの理解
・会社の将来を考えた戦略的な思考力
・問題提起&問題解決力
・リーダーシップとコミュニケーション力
・多角的な視点と広い視野
・目標達成に向けた決断力と行動力
・目標達成のための強い意欲とパッション
・自身の価値と役割に対する理解

企業に経営者の視点で判断を下せる未来の幹部候補者がいなければ、対応の遅れによって機会損失のリスクが高まるかもしれません。

早くから経営者の視点で意思決定できる経営幹部を育成できれば、企業の存続・成長につなげることができます。幹部となる人材に必要なスキルや適性を見ていきましょう。

経営理念や経営ビジョンの理解

経営理念は、誰にでもわかる言葉でその企業が目指す理想や企業の根本となる活動方針を明文化したものです。経営者の哲学や信念に基づいており、フィロソフィーなどとも呼ばれたりします。

また経営ビジョンとは、企業が掲げる目標や、その達成のための道筋、将来像を文章にまとめたものです。

企業の経営姿勢を経営理念で表すことにより、経営者の考え方を従業員に浸透させ行動していくことが可能になります。

幹部候補には、組織の経営理念やビジョンに対する深い理解が不可欠です。目標を達成するには、経営理念やビジョンを深く理解し、実現するための戦略を策定する役割を果たさなくてはなりません。

経営理念や経営ビジョンへの理解を深めることによって、具体的な行動や戦略に落とし込めるようになります。幹部候補は会社の方向性を理解して周囲に伝えることで、組織全体を統一し、目標達成に向けて進めていく能力が必要です。

会社の将来を考えた戦略的な思考力

戦略的思考力とは、企業が立てた目標に対して適切な戦略や行動を考える力です。戦略的思考力を持つには、自社の現状と自社が属する市場の現状を正しく理解することやマーケティングの知識も欠かせないでしょう。

幹部候補には、経営や事業運営など幅広い知識が求められます。事業別組織や機能別組織など、企業戦略に基づいた組織設計をするための知識だけでなく、事業運営で必要とされている計画や戦略の立て方も重要です。

さらに、適切な経営のかじ取りをするための財務知識、会社の信頼性を守るための情報セキュリティー知識といった、会社を安定的に成長させていくための勉強も必要になります。従業員に方向性を示すリーダーシップ、部下から慕われる人間力やコミュニケーションスキルも求められるでしょう。

これらは、幹部候補の教育で伸ばせるスキルです。

問題提起&問題解決力

問題を解決するには、まず問題の本質を見抜く必要があります。問題の本質を明らかにし、周囲にわかるように問題提起する力が第一に求められます。

問題解決においては、「現状」と「あるべき姿」のギャップの解消を考えます。

現状からあるべき姿を描き、その上で、あるべき姿に確実に近づく考え方を養うことが大切です。

事業を進める上で、トラブルや壁にぶつかる場面は少なくありません。課題を解決するには、現状を理解し、正しい関連情報を素早く収集し、総合的な視点から判断する力が必要とされます。幹部候補は、いつ何時であっても多面的な視点をもち、問題を確実に解決に導く、考え抜く力を身につけなければなりません。

リーダーシップとコミュニケーション力

組織内で指導的役割を果たし、ほかのメンバーや部門を結集して目標に向かって進むためのリーダーシップは幹部候補には必須です。

リーダーシップは、チームビルディング、円滑なコミュニケーション、モチベーションを高めるなどさまざまな要素で構成されます。

幹部は、ビジョンの共有、社員モチベーションの向上、組織を成功に導くリーダーシップを発揮しなければなりません。経営者レベルになると、さらに多くの知識やスキルが求められ、目的に応じて人を動かす能力が必要とされます。

幹部として仕事をしていくうえで、人を動かすには、ヒューマンスキル、高いコミュニケーション能力が欠かせません。問題が起きたときこそ、適切な説明、明確な決断をする姿勢を示すことができるように伸ばすべき力です。

多角的な視点と広い視野

多角的な視点と広い視野は、組織や業界、市場の大局を見据え、戦略的な判断や意思決定を行うために必要な能力です。

幹部は日常業務に囚われすぎず、長期的な目標やトレンドを把握し、会社の持続的な成長や競争力を確保するための方向性を示さなければなりません。

多角的な視点と広い視野を持つことで、ブルー・オーシャン事業を見いだし、市場の変化に敏感に反応して、新たなアイデアや戦略を生み出せるようになります。多角的にものを見て、新たな意見を受け入れ、多様性を生かすことによって、より広範な情報や知識を組織に取り入れ会社を成長させることができるでしょう。

目標達成に向けた決断力と行動力

経営者に必要な資質の一つに決断力があげられます。従業員は経営者の方針がなければ動くことができず、経営判断が遅れることで、競合に先を行かれてしまうケースが出てくるかもしれません。

グローバル化が進むなか、日本企業は激しい競争にさらされています。生き残るためには、経営者の素早い決断が求められます。

また素晴らしい戦略を生み出したとしても、実際に行動に移さなくては、絵に書いた餅です。目標達成のためには、積極的に行動を起こし、組織への働きかけを継続的に行っていく姿勢が求められます。幹部として仕事をしていくうえで、決断力と行動力は資質です。

目標達成のための強い意欲とパッション

創業系の経営者、特にスタートアップの創業者にはパッションが高く事業意欲に燃え、エネルギッシュな人が多く見受けられます。その思いに共感する人が増えると、応援されることで事業も伸びる傾向にあります。

事業内容に対して幹部が熱い信念を持っているからこそ人もついていきます。

目標を達成するには、やり抜く力が大切です。ペンシルバニア大学心理学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏が定義したスキル「グリット(GRIT)」は、困難に直面しても自分の情熱やエネルギーを持って目的を成し遂げる力のことを意味しています。

目標を達成するためには、グリット(grit)=やり抜く力、または粘る力、とその支えとなる強い意欲とパッションが不可欠です。

自身の価値と役割を理解する

会社や仕事を通して、どのように貢献していくのか、自分の価値と役割を理解することは大切です。例えば社会人だったら、「会社などを通して社会的課題を解決する」「部下や後輩のよりよい人生をサポートしていく」ことなどが挙げられるでしょう。

これ以外にも、家庭や地域への貢献もあります。 自身の幹部としての役割を通して、どのように課題の解決や社会的価値の提供をしていけるのか、理解することが重要です。

また部下を育てるには、相手の能力、人間性を踏まえサポートしていくことが大事です。そのためにも、広い視野を持ち、自分の価値と役割を明確にすることが大切です。

幹部候補の人材を育成する方法

ここでは幹部候補の人材を育成する方法について、説明します。

幹部候補の人材を育成するには、中長期的な育成計画が必要です。まずは、配置するポストとそれに必要なスキルを洗い出し、候補の人材を選びます。その上で、育成計画を立て、実行しながら成果の評価と改善をしていきましょう。

幹部候補の人材を育成する方法
1、幹部を配置するポストと必要なスキルを洗い出す
2、幹部候補の人材を選ぶ
3、幹部候補育成計画を立てる
4、育成成果の評価と改善

幹部候補は、一般社員に比べて求められる人間力の高さやリーダーシップ、さらに結果を出すために必要な能力も多岐にわたります。幹部を配置するポストにあった候補人材を選ぶコツや実際の幹部候補育成計画などについて見ていきましょう。

この4つの幹部候補を育成する方法は、経済産業省公表の「企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン」でも取り上げられています。

① 幹部を配置するポストと必要なスキルを洗い出す

幹部候補の育成においては、まずどのようなポストに幹部候補を配置し、どのような要件を求めるかを明確にしなくてはなりません。配置するポストやそれに必要なスキルを洗い出さないと、適切な人材を配置できずミスマッチが起きてしまいます。

まずは、必要なスキルを明確にします。会社の経営戦略やビジョンも考えながら、ポジションにどのような特性を持った人材を求めるかを決めます。ポストとスキルが定まったら、要件にあわせた人事評価を準備し、短期的なものではなく、10年後、20年後を見据えた中長期的な経営計画も交えながら幅広く議論し、的確な人材を育てていきます。

② 幹部候補の人材を選ぶ

幹部候補となりうる社内人材を把握し選抜しなくてはなりません。

まずは幹部候補となる人材がどれくらい存在しているのかを調べ、選抜・育成の体制・ルールづくりや、選抜するにあたっては、社員のスキルや能力について情報を収集、集約的な管理が必要です。幹部候補には、社内外からの人材獲得も含めた公平な選考プロセスが必要となります。

育成する目的や人物像が固まったら、次はそれらに沿って育成する候補者を選抜していきます。候補者の選抜にはいくつか方法がありますが、上司・部門長からの推薦を採用していることが比較的多いようです。上司は直接的に候補者と日常業務をともにしており、パフォーマンスレベルやリーダー能力の有無を把握しているからです。

また、経営陣が選抜することもあります。さらには中途採用として、キャリア人材に特化した人材斡旋会社や外部で活躍している優秀な人材を自社に引き入れる採用方法もあります。人事部門は、社員のスキルを情報収集し、幹部候補の選抜において様々な観点から検討できる体制づくりをしておくことが重要です。

③幹部候補育成計画を立てる

幹部候補を選抜したら、企業は幹部候補に対して育成計画を立て、それらを実施していきます。

育成計画は、経営戦略やビジネスモデルの分析、マネジメントスキルなど、幹部として必要な能力を網羅しなくてはなりません。具体的には、経営メンバーと対話する機会を設けることや、メイン事業において責任あるポストに就任させる、選抜型集合研修やアクションラーニングの実施、海外赴任や新規事業のプロジェクトへの参加などがあります。

外部の有識者との交流もよい経験となります。育成環境においては、上司や先輩社員や外部の有識者などからの指導・アドバイス、フィードバックが必要です。また幹部候補が自分自身でスキルアップできる環境を、専門のビジネススクールを利用して整えることもよいでしょう。

④ 育成成果の評価と改善

育成の成果が出るまでには個人差があり、少なくとも3年、後継者を見据えての育成であれば10年程度は見積もる必要があるでしょう。なかなか成果が出せず本人が自信を失くしたり、周囲の期待の大きさがストレスとなったりして離職することも配慮して、会社全体でのフォローが重要です。幹部候補にとって相談がしやすい職場環境を整え、メンタルにも気を配りたいものです。

らに、育成成果は、その後の企業経営に大きな影響を与えますので、人材育成計画を実施したあとは必ず育成成果の評価や施策を定期的に見直します。評価方法は、人事部門が人材育成の結果を評価し、それを経営陣や幹部が確認・承認する流れになるでしょう。

育成目標の達成度合いを、定量的な観点と定性的な観点の双方から見ることがポイントです。育成成果の評価後には幹部候補の育成計画を見直し、改善点を明確化することが重要です。常に育成の成果を見ながら、プログラムをブラッシュアップしていきます。

幹部候補の人材をスムーズに育成するためのポイント

幹部候補の育成を効果的に行うためには、気をつけるべきポイントがいくつかあります。例えば、経営陣と人事部の連携や育成期間、教育の方法などです。

ここでは、幹部候補の育成を成功させるうえで知っておきたい重要なポイントについて解説します。

幹部候補の人材育成におけるポイント
・経営陣と人事部が本気で取り組む
・十分な育成期間を設ける
・教育に活用するリソースを十分に検討する
・実践の機会を設ける

経営陣が日々の仕事のなかにおいても人事部と連携し、次世代の幹部候補を育てていく機会を設けていくことや、十分な育成期間の設定、さらに教育のリソースも幹部候補に合ったものでなくてはなりません。

幹部候補の目標やキャリアプランを考慮し、実践的な人材育成に必要な以下のポイントを押さえて、幹部として必要な能力がバランスよく身につくようにしていきます。

経営陣と人事部が本気で取り組む

育成を成功させるためには、経営層が本気で取り組むことが不可欠でしょう。経営層は、将来の幹部候補の育成が重要であると認識していますが、日々の業務に追われることも多く、なかなか育成に携わることができません。

そのため、人事部門任せになってしまっている会社が多いのも現状です。しかし、育成を成功させるには、経営陣が率先して育成計画に参加する必要があります。

人事部も、経営トップや事業責任者と積極的にコミュニケーションを取るなどし、戦略的に人材育成を行います。形式的な労務管理だけではなく、現場・経営層の両方と積極的に関わりを持つことが大切です。現場にも深く入り込むことで幹部候補のパフォーマンスを把握し、どのような育成や支援が必要なのかを把握します。

人事部の主宰で戦略的に幹部候補を育成します。経営陣との連携が、より質の高い幹部候補育成につながるでしょう。

十分な育成期間を設ける

経営幹部の育成が進まない場合に考えられる点として、育成期間を十分に取っていない場合があります。一般的に管理職の育成にかかる期間は、1〜3年と言われています。経営幹部や後継者を育成する期間はもっと長期的なスパンでみていかなくてはならず、短くても3年、長ければ10年かかる場合もあります。

自ずと研修期間も長期にわたります。長期間にわたる研修に対して、ポイントを押さえずに実施してしまうと、研修の着地点を見失ったり、実務に必要のない内容も含まれてしまったりといった失敗を招きかねません。

教育に活用するリソースを十分に検討する

幹部といっても、分野ごとに必要な能力や物事の考え方など、教育は多岐にわたります。そのため、全員の幹部候補に均一なプログラムを提供してもうまくいきません。

個々の能力や資質に応じて、各幹部候補に合った育成が必要です。例としては、外部の幹部候補が必要なスキルや知識を身につけられるようなオンライン講座やセミナーなど幅広い教育プログラムの提供が有効です。外部研修の活用も一般化しています。

幹部候補の育成に外部研修を活用する利点としては、専門知識を取り入れることができる点が挙げられます。また、研修内容も凝縮しているので限られた時間しかない場合にも有効です。

企業内で行われるトレーニングや研修では、身につく内容が企業内の知識や経験に限られてしまうという難点があります。一方、外部研修では、業界の最新動向や他社の事例などからより幅広い視野を持つことができるでしょう。さらに社内とは違った環境で研修に参加することによって、モチベーションの向上や育成の質を向上させる効果もあります。

例えば、日経ビジネススクールでは、不確実な中⻑期事業の意思決定とその後のマネジメントに関する現実的な問題に、経営の視点からどのように取り組めばよいのか、要点を絞って解説するセミナーもあります。
これは、まったく異なる業界・業種のリーダー候補たちがチームを組み、 事業機会を考えるプロセスを経験する機会となります。

このように、現在の仕事の延長線上にある議論では、解決できない問題を考え抜く研修など、外部のビジネススクールを利用することでしか学べないこともあります。企業の人材育成における課題に応じて、育成プログラムからアセスメントまで提案してもらえる外部の研修を利用するのも、今の時代の賢い選択です。

実践の機会を設ける

経営幹部の育成が進んでいない理由の一つに、候補者を対象にした研修の成果が見られないといったことがあります。それは、学んだことを実践させる機会がないからです。

経営幹部の育成において社内研修だけでは、意識や行動が変わらない場合が多く見られます。モチベーションが高まっても、研修後に具体的な行動を変えられる実践の機会が整っていないために、一時的なもので終わってしまうのです。

座学による研修で、経営幹部に必要な知識を学ぶ機会を設けることも大切ですが、得た知識をどのように実践で活かすのかを考えさせ、行動に移させる方が重要でしょう。幹部育成に携わる人事関係者は、研修で習得した知識やスキルの活用の場を提供することが大切です。

まとめ

後継者にもなりうる幹部候補がいないことは、経営上のリスク。そのためには、早いうちから幹部候補を育成することが重要です。

企業の発展・成長を促すためには、後継者を育てる視点を持って経営幹部の育成を行うことが大切です。幹部候補はリーダーシップやビジネス・会計・財務の専門知識、人間力といった総合的な能力が求められます。幹部育成を行うには、経営者側と幹部候補自身がお互いのビジョンを共有し、長期的なフォローや適切なフィードバックが重要です。

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