新人研修向けカリキュラムの内容|新人研修導入時のポイントを紹介します!
人財育成のヒント新入社員が入社して初めて受ける教育が新入社員研修であり、その後の働き方や社会人としてのスタートダッシュに影響のある重要な研修になります。新人研修は毎年ブラッシュアップが必要です。変化の激しい時代、毎年同じ内容では時代のニーズとギャップのある社員になってしまう可能性があります。
本記事では、初めて新人研修を導入する担当者の方、例年行っているものを見直す必要性を感じている方に向けて、カリキュラム内容や導入ポイントについて解説していきます。
新人研修の目的
新人研修の目的は、新卒採用者と中途採用者で異なります。
主な目的は以下の通りです。
・中途採用者:企業の方針やビジョンのすり合わせ、業務に直接必要となるスキルの習得
新卒採用の新入社員は、初めて社会に出て、ビジネスで必要な基本スキルがまだ身についていません。新入社員研修を通して体得し、いち早く戦力になるよう育てましょう。
新人研修を企画するポイント|まずやるべきことは
新人研修は白地のキャンパスに絵を描くのに似ています。まずしっかりとしたデッサンが要ります。社会人としての基礎づくりが新人研修のスタートです。
・社会人としての意識の醸成
・マインド、行動、スキル、知識のアップデート
・短期集中のプログラムとオンボーディングのプログラムを分ける
組織の研修体系の中でも、特に「新卒採用」の新入社員に向けた研修は、特色が異なります。
ここでは、新卒採用の新入社員向け研修実施のポイントについて、解説していきます。
社会人としての意識の醸成
新卒採用の新入社員の多くは、初めて社会人として働きます。内定者研修で社会人への意識づけをしている会社でも、社会人スタートのタイミングで改めて新人が学生と社会人の違いを認識できる機会を設ける必要があります。
学生気分のまま業務に入ってしまっては会社にとって迷惑です。時間管理や納期の意識の甘さは時に会社の損失に直結します。与える影響や責任の大きさが学生と社会人は大きく異なることを理解して業務に入る必要があります。
また、学生は学費を支払って学ぶ立場でしたが、社会人は働いて給与をもらう立場になります。報酬に見合う働きを求められていることは、社会人に必要な意識です。
新人研修を通しての、社会人としての意識の醸成は仕事でのつまずきを未然に防ぐのに欠かせないプロセスです。
マインド、行動、スキル、知識のアップデート
マインド、行動、スキル、知識――。社会人には学生よりワンランク上の構えが必要です。社会人としての意識の醸成とあわせて、新人研修を通して、行動、スキル、知識をアップデートしていきます。
行動においては、学生時代は自分自身の行動の責任の及ぶ範囲は、自分もしくは家族など限られますが、社会人になると、自分の行動ひとつが会社・組織やお客様へも影響を与えます。
社会人はさまざまな責任がついてきます。周囲への影響を考えて行動する必要があります。
短期集中のプログラムとオンボーディングのプログラムを分ける
新人研修は学ぶべきことが多いだけに、あれもこれもと、詰め込み式になってしまうことがあります。その結果、実施ありきで、習得できたかどうかは二の次になってしまうケースが多々あります。
優先度を考えるにあたり、重要度の高いプログラムの優先に加え、短期集中なのか、仕事をしながらの実践もかねたオンボーディングのプログラムなのか、分けて考えるのも判断軸のひとつです。
短期:基本的なルール
基本的なルールでは、社内規定や就業規則、企業倫理、コンプライアンス、情報セキュリティー、ハラスメント防止、ビジネスマナーなどが代表的です。社会人、企業人としての土台となるので社会人、社員として必須ですので、入社後の早いタイミングに短期集中プログラムで習得を図ります。
長期:実践に即したプログラムを入れていく
長期プログラムの例として、ロジカルシンキング、コミュニケーション力、情報収集力などがあたります。長期的なプラグラムは、日頃の業務と同時進行でスキルを高めていくことができるのが特徴です。現場で学びながら教育するOJTや、1on1ミーティングなどは、広い意味でのオンボーディングに含まれます。
新人研修で導入したいカリキュラムの内容
新人研修カリキュラムの問題点として、「毎年行っているから」「なんとなく必要そうだから」という前例踏襲でメリハリのない内容になっている場合があります。
しっかりと内容のある研修にするには、「目的は何か」「研修終了時点で対象者がどのような姿になっているのが理想なのか」「必ず実施しなければならない必須項目は何か」を考え、短期と長期の視点から必要なカリキュラムの洗い出しに努めなければなりません。
<短期>
・会社への理解を深める
・基本的なビジネスマナー
・社会人としての心得
<長期>
・ロジカルシンキング
・配属先ごとに必要になる専門知識
・業務効率改善
・自分の意見をしっかりもち発言する力
・ディスカッション力
・情報収集・調査力
・わかりやすい資料を作成する力
新入社員で導入したいカリキュラムについて、解説していきます。
<短期>会社への理解を深める
基本的に、新入社員は就職活動を通して、どのような会社なのかを理解したうえで入社しています。ただし一般的に社外公表されている情報と内に入ってからの情報の量や質には自ずと差があり、学生の立場からすると、就職先の視点での理解から、改めて立場を変えて社員の立場で、自社の理解を深める必要性があります。
カリキュラムには組織構成や事業内容といった基礎事項に加え、会社の存続・成長に欠かせない要素を入れることも有効です。例えば、収益構造や、ステークホルダー(利害関係者)との関係性、中期・長期経営計画のよみかた、といったものです。
お客様や外部の方と接する仕事では、自社の説明をできることは必須です。また会社をより深く知ることで、組織の一員であるとの意識が高まり、今後の方向性を知ったうえでの行動につながる期待ができます。
公表できること、できないことがあることは前提として、本来「入社前の採用時」に伝えておくべき会社の重要事項を入社後に知らせることは避けましょう。
<短期>基本的なビジネスマナー
新入社員研修で必須なのが、「ビジネスマナー研修」になります。信頼関係を築くのに必要な手段であり、仕事を進めるうえで不可欠なのが、社会人の基本「ビジネスマナー」です。
ビジネスマナー研修の主な内容は、以下の項目です。
・挨拶
・敬語の使い方
・電話応対
・訪問のマナー
・名刺交換
仮に知識やスキルがまだない新入社員でも、これらの基本が身についていると、配属先にいって電話に出ることができます。適切な敬語をつかってさまざまな立場の方とコミュニケーションが取れます。感じのよい挨拶で職場を明るくできれば、仕事はまだまだだとしてもメンバーの活性化に貢献できるのです。仮にどれだけ知識があったとしても、ビジネスマナーが備わっていないと、気付かないうちに相手を不快にさせることもあります。
ビジネスマナーの習得は、知識のインプットだけでは、自信を持ってできるにはつながりません。実践の場を数多く取り入れることがポイントです。
<短期>社会人としての心得
新卒の新入社員はつい最近まで学生でした。マインドセットができず、入社直後は学生気分が抜けない人がいるのも事実です。最初に「社会人になった」という意識の醸成が必須です。研修では、新入社員に求められる意識と行動を具体的に示すことです。
例えば、上司が新入社員に期待する行動として、社会や会社のルールの遵守は言うにはおよばず、「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の徹底は基本です。なぜホウレンソウが必要なのか説明し、仕事では指示を受けてから完了するまで、常にホウレンソウの繰り返しであると理解させます。
ほかにも、心身の健康管理の重要性など、さまざまな心得があります。自社で働く社員にとって大切だと思う心得を、最初に体得させます。
<長期>ロジカルシンキング
「ロジカルである」とは、筋道が通っていて、矛盾が無い状態です。仕事上、ものごとを体系的に整理し、結論を導き出す「ロジカルシンキング」は欠かせません。
例えば新入社員の場合、以下のような場面で必要となります。
・問題が発生したので報告をする時、目の前のさまざまな情報を整理し、結論を導き出したうえで、「結論→理由」の順で筋道立てて伝える場面
ロジカルシンキングが身に付くと、情報の整理が早くなり、仕事の効率アップにもつながります。一緒に働くメンバーにとっても、論理的で分かりやすい報告、相談をしてくれる新入社員はとてもありがたい存在です。
ロジカルシンキングはフレームワーク中心で、難しい思考法と思っている人もいます。しかし実は覚えることは少なく、シンプルな思考法であることを伝えるのもポイントです。
<長期>配属先ごとに必要になる専門知識
配属先で必要になる専門知識は、新人研修の一環として行うのか、配属先に教育を任せるのか企業によって分かれます。
新人研修のカリキュラムに含める代表例には、専門的な技術職向けスキル、SEのITスキルなどがあります。中には最低限の専門知識がないと業務に支障が出るものがあります。例えば、さまざまな職種を採用している企業の、新卒新人研修のケースでは、4月の入社式直後は、会社の理解やビジネスマナーなど全員同じ研修に参加し、その後職種や配属先の事業部に分かれて、専門的な研修を受けるパターンがあります。
専門知識の多くは、実際仕事をするうえで業務直結の内容が中心です。特に新入社員向けでは、専門知識をどれだけわかりやすく、理解しやすい言葉で教えるのかがポイントになります。「複雑なものほどシンプル」に伝えることです。
<長期>業務効率改善
社員の一人ひとりが「業務効率の改善意識を持つ」ことは、組織全体の成長につながります。入社時は目の前のことに必死で、改善意識まで視野を広げるのは至難です。
研修では、自分の仕事を振り返り、「無駄」と感じることはないか、「もっとこうなるといいのに」と日常で感じていることを洗い出し、さらに効率化や改善につながる方法を考えます。すると自分自身の課題に気付き、効率化・改善を実践に移すことで一段成長につながります。
また、新入社員ならではの視点で、「職場の無駄」や「働く環境がもっとこうなったらいいのに」という改善提案してもらうのもよいでしょう。よい提案内容であれば実際に取り入れて、新入社員の自信ややりがいに直結できます。これまでにない新しい視点での提案は、組織全体の発展にもつながっていきます。
<長期>自分の意見をしっかりもち発言する力
社会人は常に、自分の意見を持ち発言する力を求められます。いざという時に意見を言えないようでは、仕事はもちろんのこと、職場のコミュニケーションに影響を及ぼす可能性もあります。
新入社員の立場で、最初から意見をしっかり持ち、物怖じせず発言できる人はあまりいないでしょう。一定の育成が必要です。
自分の意見を持っていなければ、そもそも発言はできません。研修期間を通して、常に自分の意見を暖めておく習慣をつけさせていきます。突然会議で意見を求められた場合、何も考えていなければ頭が真っ白になることもあります。意見を持っていれば、後は説明力と自信です。
意見を言えない人の中には、「否定されたらどうしよう」「間違っていたらどうしよう」という不安を持っている人も多いです。周囲の注意点として、どのような意見も否定せず受け止める、意見は違ってよいと伝える姿勢も大切です。
<長期>ディスカッション力
ディスカッション力とは「議論」「討論」する力です。メンバー間で意見を出し合って最終的に結論を導き出す「グループディスカッション」は就職活動を通して経験した方も多いでしょう。
社会人は、日々の会議、職種によってはお客様との商談のように、話し合いをする場面にたくさん遭遇します。その時に必要になるのが、ディスカッション力です。建設的な話し合いのために、重要なスキルともいえます。
新入社員の場合、このディスカッション力が身に付いていると、さまざまな場面で発言ができ、結果的に周囲とのコミュニケーションによい影響を与えます。
特に新入社員に求められるのは、相手の話をきく姿勢です。反応を示して反復し、さらに質問をすることで、よりよいディスカッションにつながります。
またこの先、会議などの司会を任される場面に合わせて、「ファシリテーター」のスキルを学ぶのも一法でしょう。
ここでは、若手社員の育成の際に企業が陥りやすいポイントについて紹介します。
<長期>情報収集・調査力
情報収集力とは、効率よく、質の高い情報を集めるスキルです。私たちの生活は、インターネットで検索さえすれば、なにかしらの情報が得られます。膨大な情報の中から正しい情報を見極めるには、取捨選択する力が必要です。
例えば新入社員の中には、情報収集=インターネット検索が全てと思っている人もいます。しかし、情報収集のツールは新聞、ニュース、雑誌、書籍などさまざまあり、さらに周囲の人から得られる情報が実は有益なことも多々あります。新人研修を通して、情報収集の必要性、収集の仕方、正しい情報の見極め方などを身に付け、実際の業務の効率化や質の向上につなげるのが理想です。
注意点は、情報収集がゴールになってしまうことです。得た情報をどのように仕事に生かすのか。さらに自分なりの研究も必要です。情報収集の習慣を、新人研修の早い段階で取り入れることがおすすめです。
<長期>分かりやすい資料を作成する力
わかりやすい資料作りは、社会人にとって必須スキルといえます。
学生時代を通して資料作りを経験してきた方もいますが、社会人の資料作成スキルはこれまでと同じではないことを学びます。例えば、PPTが得意という新入社員に資料作りの指示をすると、「必要以上に華やかで、凝った資料を作ってしまうという」という上司・先輩からの声も聞かれます。
わかりやすい資料の特徴は、主に以下の通りです。
・必要な情報が入っていて、論理的に整理されていること
・「読み手にとって」分かりやすい内容であること
・文章と図解のバランスが取れていること
新入社員にありがちな、作成した資料を提出した際に発生する「手戻り」は、仕事における無駄の一つです。
特に時間をかけて作って凝った資料のやり直しは、非効率です。新人研修で資料作りの基本を学び、その先の仕事の効率化にもつなげていきます。
新人研修を実施するポイント
新人研修を実施するポイントを紹介します。
・座学だけでなく実践の場を設ける
・プレッシャーを与えすぎない
・モチベーションの維持やアフターフォローはしっかりと
・外部研修も選択肢に考える
最近の新入社員の傾向として、「厳しい注意や指摘を受けた経験がない」という声も耳にします。
プレッシャーやモチベーションを下げない工夫について、解説しましょう。
座学だけでなく実践の場を設ける
新人研修は、座学だけで終わらず実践の場を設けることがポイントです。座学を通じて知識のインプットはできますが、業務に生かすには実践の場で必ずアウトプットします。
例えば、電話応対や名刺交換などは、練習、実践して初めて身につくスキルの代表です。電話応対のノウハウを座学で学んだからといって、すぐに受電ができるとは限りません。「受ける」「かける」の練習や、ロールプレイングを繰り返してこそ身に付きます。名刺交換も同様です。
また、長期プログラムの「プレゼンテーションスキル」なども同じです。座学で学んだ後、実際にプレゼンテーションに臨めば、習得度が高まります。新入社員にとってできることが増えていく実感は、自信やモチベーションにもつながります。
座学と実践の両方をうまく取り入れて定着させましょう。
プレッシャーを与えすぎない
新人研修中に目標設定し、達成に向けて行動するのは、「個人の成長」や「モチベーション向上」につながるとてもよい手段です。
ただし、立てた目標がプレッシャーとなり、諦めやモチベーション低下の原因になるのは、避けなければなりません。新入社員に目標を立てさせる場合、自身の成長につながる適切な目標設定の仕方を教えることは必須です。
・自分自身が重要と感じ、頑張りたいと思えることを目標にする
・頑張れば達成できる、実現可能な目標である
・期限と達成に向けた具体的行動が入っている
・できるだけ数値化し、定量目標とする
上司からの期待は嬉しいものの、期待値が高すぎるとプレッシャーに感じる人もいます。大事なポイントは、相手の特性に合わせてプレッシャーにならないレベルの見極めです。
モチベーションの維持やアフターフォローは不可欠
新人研修を成功させるには、アフターフォローは欠かせません。日々の業務指示はもちろん、本人にとって少々厳しいと感じる指摘をした場合、その後の行動や気持ちの変化も必ず追っていきます。
フォローによって新入社員の成長を確認でき、一方、新入社員にとっては「最後まで見届けてくれる」と分かると、安心して業務に励むことができます。
特に、学生時代に注意や指摘を受けた経験が無い場合、上司や先輩の何気ない一言に傷つき落ち込んでしまう人もいます。指摘をする場合は、よいところ・できていることもセットで伝え、その後改善が見られたら褒めるのが肝心です。
外部研修も選択肢に
新人研修では外部研修に参加(依頼)することも選択肢のひとつです。
研修のテーマによって、「社内でしかできないこと」「外部の研修会社を利用することで高い効果が得られること」に分けられます。自社ならではの制度説明や専門知識の習得は社内での実施が基本です。それ以外については、コストはかかりますが、プロフェッショナルから学べる外部研修の利も有効でしょう。
新人研修で外部の研修会社を利用する方法は大きく2つあります。自社の対象者が多いのであれば、企業内研修の相談が出来ます。対象者が少ない場合は、公開セミナーに参加する方法があります。
新人研修を実施する手順
新人研修の計画にあたっては、研修実施の目的から逆算して内容を検討します。
以下では、目的を設定した後から、最後の計画と振り返りまでの手順を解説します。
1.新入社員のスキルを把握する
2.新入社員が習得すべきスキルを洗い出す
3.研修の目標やテーマを決める
4.具体的にカリキュラムの内容を決める
5.研修と振り返りを行う
早速カリキュラム内容の検討から着手したくなる方もいますが、まずはスキルの把握を優先します。主な流れを見ていきましょう。
1.新入社員のスキルを把握する
新人研修にあたり、まずは対象者の持っているスキルを把握します。既に持っているスキル、不足しているスキル、より強化したいスキルを把握したうえで、実施内容を検討します。
採用の選考過程において、履歴書、ES、職務経歴書、面接などである程度のスキル把握はできているかと思います。ただし、新卒採用の場合は選考時から新人研修までの間、一年近く経過していることもあるでしょう。その間に新たに習得したスキルもあれば、選考過程では見極められなかった課題が見えてくるかもしれません。
スキルを把握する手段として以下のような方法があります。
・内定者研修
・アンケートの実施
・直接面談などでヒアリング
2.新入社員が習得すべきスキルを洗い出す
次に、新入社員が習得すべきスキルを洗い出します。洗い出しにあたっては、さまざまな方法がありますが、配属先部署へのヒアリングは、より現場の実態に合った情報を得る利点があります。
配属先が求めるスキルは現実的なことが多く、毎年受け入れている部署であればなおさら、新入社員の傾向や課題を掴んでいる可能性は高いです。
ヒアリングにあたっては、直接インタビューする方法や、アンケート実施などがあります。アンケートを実施する場合は、解説をつけたスキル一覧の中から、新入社員にとって重要と思われるスキル、弱いと思われるスキルなどの項目を設定し選択してもらう、選択方式にすると集計しやすくよいでしょう。
3.研修の目標やテーマを決める
研修を通してどのようなスキルを身に付けさせたいのか、目指す姿を具体的にイメージし、必ず到達目標(ゴール)を設定します。目標は、研修実施の目的に沿ったものにするのが大切です。
研修実施後は、研修自体の評価に加え、目標に対しての成果を確認し振り返りをします。そのベースとなるのが目標です。
また研修に参加する新入社員にとっても、研修の目的や目標が示されることで、何を学び、何ができるようになるとよいのかが明確になります。設定にあたっては、具体的な行動変容を示した目標であること、実現可能なレベルであることも大切です。
4.具体的にカリキュラムの内容を決める
研修はカリキュラムの内容を決めることはもちろん、どのような方法で実施するかを含めて決定する必要があります。
コロナ以降は、対面かオンラインかの選択もでてきました。
対面を予定していたとしても、急遽現地での受講ができない人に向けてオンライン接続で同時に参加してもらうハイブリット開催もあります。研修の実施方法も、柔軟な対応が求められる時代です。
その他、研修の進め方には、大きく分けて以下のようは方法があります。
・レクリエーション:メンバー間の親睦や、仕事の合間のリフレッシュを目的としたアイスブレイクやゲームなど
・ロールプレイ:現実に近い場面を設定し、その中で役割を演じてスキルを体得する手法(疑似体験)
・OJT:上司・先輩が部下後輩に対して、職場での実践を通じて知識やスキルを身に付けさせる育成手法
・eラーニング:インターネットを利用して学ぶ学習方法
5.研修と振り返り
新人研修実施後は、必ず振り返りを行います。振り返りにあたっては、できれば受講者からも感想や意見をヒアリングします。アンケートの実施、直接ヒアリングする方法などさまざまありますが、集計し分析できるものがよいでしょう。
期間や、内容、実施方法の満足度や、内容の理解度について評価項目を設定し、選択式や記述式を組み合わせます。
特に、毎年新人研修のある企業は、常にブラッシュアップしながら改善していくことが重要です。PDCAを繰り返すことで年々精度の高い新人研修プログラムになっていくのです。
まとめ
新人研修は、数ある企業の中から自社を選んでくれた人材を受け入れる大切な機会です。最初の受け入れ体制によって、モチベーションやその後の定着率に影響を与えるといっても過言ではありません。受け入れ時の研修だけではなく、その後のフォローアップ研修の実施も有効です。
配属後一定期間が経過した時点での、定着できていないスキルの再教育、これまでを振り返るフォローアップ研修は新入社員にとってもよい機会です。ぜひアフターフォローも忘れずに行ってみてください。