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社外取締役の全体像を早回しで学ぼう

女性の社外取締役育成講座エッセンシャル版 11月開講

木村所長 日本経済新聞社では、長年社会で活躍しながらもマネジメント経験のある女性は少ないうえ、女性を活用したい日本企業と女性人材がうまくマッチングしていないと考えて、7月から女性の社外取締役育成講座を開講しました。永田先生も、女性の実学協会で女性役員候補育成塾の運営に携わっています。こういった講座の価値は、どこにありますか。

永田教授 まず、社外取締役を目指す個人が早回しで学べる点が挙げられます。社外取締役として直面する課題やテーマについて、限られた時間で学習できます。ふたつ目は、基本的な知識の土台があると証明できる点です。社外取締役を欲しいと思っている企業にとって、選考対象となった人材が経営的な視点を備えているのかどうか判断する材料になります。今回のような講座は、個人と企業の双方にメリットがありそうです。

生の空気感に意味がある

木村所長 企業から、女性取締役が取締役会でひと言も発しなかったとか、「女性活躍はどうなっていますか」というような一般論しか発言できなかったという声を聞きました。

永田教授 何も言えないのは、取締役会の議題を理解できていないからでしょう。基礎的な知識を身につけておかないと、質問や意見は生まれません。例えて言うと、料理を作るときに、刻み方やゆで方、あるいは道具の使い方を知らないままで、料理本を読んでもだめでしょう。

社外取締役をやればやるほど、いかに自分が何も分かっていなかったのかが明らかになります。会社の役に立つためには、世界の動き、日本の動き、社会の動き、人の動き、そういった点を多角的に見なければなりません。私自身は社外取締役になってから、すごく勉強しています。

「社外取締役になってから、すごく勉強しています」(永田教授)

「社外取締役になってから、すごく勉強しています」(永田教授)

木村所長 キャリアを積んだ女性が、さらに勉強を重ねて、企業に貢献するサイクルを組み込んだエコシステムを構築したいという期待を込めて、女性の社外取締役育成講座を7月に始めました。残念ながらお断りした受講希望者の期待が大きかったので、バージョンアップした講座を設けることになりました。来年開講する予定でしたが、11月に前倒ししました。

今回は、女性社外取締役育成講座エッセンシャル版と名付けています。知識とケーススタディー、ワークショップを織り交ぜながらら基礎を学ぶ構成になっています。今回から、スキルマトリックスへの理解やリスク管理、企業とのマッチングで重視されるカルチャーフィットといった講座も、新たに設けます。

永田教授 会社の文化と社外取締役の個性が違いすぎると、融合に時間がかかります。会社の文化を理解して、フィットする人であるということは重要な要素です。

木村所長 エッセンシャル版で知識を磨いたうえで、より実践に近い形で、少人数の模擬取締役会などを取り入れたプラクティカル版を年明けに開講する予定です。エッセンシャル版、プラクティカル版とも、一定の条件を満たす修了者には、世界共通の技術標準規格で発行されるデジタルバッジを付与します。オンライン上でスキルをアピールできます。エッセンシャル版は、永田先生の講義でキックオフしますが、どういった点に講座の特徴があると思いますか。