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社外取締役の全体像を早回しで学ぼう

女性の社外取締役育成講座エッセンシャル版 11月開講

木村所長 DAY2以降はアカウンティングの基礎、コーポレートガバナンス、カルチャーフィット、M&A(合併・買収)などを学びます。

永田教授 M&Aは、新規事業に取り組んだり、既存の事業を発展させたりする際に、ひとつの選択肢になります。社外取締役として、必要な知識です。相乗的な効果という視点を学べるとよいでしょう。

木村所長 人的資本経営と知財戦略も、第2期で初めて入れた内容です。人はコストではなく資本であり、エンゲージメントを高めながら生産性を向上させるという考え方が世界的な潮流です。

永田教授 社員と経営者は、目線が違います。社員の働きやすさ、働きがいと生産性の相関関係が分かっています。経営者は、業績を維持しながら会社を持続可能にしなければなりませんが、それを実現するのも社員です。人的資本経営について思考を巡らしながら、会社に対する問いかけの基礎を固める意義はあるでしょう。

私は、女性活躍について、人事政策なのか、経営戦略なのかとよく尋ねます。人事政策だと、育児休暇、時短、勤務場所を限定しない働き方など、女性が働きやすくなる政策になります。経営戦略だと、これまで見落としていた視点をもたらしてくれる人材の活用になるでしょう。女性活躍を人事政策の一環と捉えている企業があるのは残念です。

「Canが大きくなるとwillも大きくなります」(永田教授㊧)

「Canが大きくなるとwillも大きくなります」(永田教授㊧)

木村所長 不祥事やSNSの炎上への対応といったリスクマネジメントも、今回の講座に盛り込みました。最終日には、女性社外取締役を招いて、パネルディスカッションを開きます。講座は、東西線茅場町駅に近いKABUTO ONEの2階を会場に、12月14日まで、毎週土曜日に開催します。

永田教授 早回しで、社外取締役の全体像を学ぶ機会は、なかなかありません。リーダーには、短期学習能力が必要です。変化が激しく、予測の難しい時代にあって、短い時間で本質的なポイントを見つける必要があります。盛りだくさんな講座ですが、短期学習能力を身につけるつもりでトライしてください。社外取締役を養成する講座ですが、社内の取締役を務めるために必要なエッセンスも入っています。女性のネットワークのなかで学ぶ場として、活用してもらいたいです。

大企業だと、取締役会開催日の一週間前ぐらいに、関連資料が送られてきます。資料を読み込む際にも、短期学習能力が生かされます。取締役会の議決案件に限らず、様々な面で意見を求められることもあります。準備に時間が取れない状況で、取締役として会社に貢献するためには、短期学習能力が不可欠です。

キャリアを伸ばしたければcanを増やそう

木村所長 最後に、頑張っている女性の方々に、メッセージをいただきたいと思います。

永田教授 キャリアとは、何をするかではなく、何ができる人なのかです。つまり、canです。

様々な経験を積んだ結果、その人は何ができるのかというのがcanで、これがキャリアの本質です。例えば、3年後に部長になりますというのは、キャリアではありません。これからの3年間に、何を身につけるのかがキャリアです。経験と学びのセットです。

ご自身のキャリアを伸ばしていきたければ、canを増やすしかありません。講座で学ぶものもあれば、仕事を通じて身に付くこともあります。早くcanを増やすためには、少し背伸びした目標に向けた挑戦が必要です。自分のなかにあって、まだ自分で気付いていない能力を伸ばすつもりで、この講座に挑戦してください。

あれもしたい、これもしたいというwillは、canがないと実現できません。Canが大きくなると、willも大きくなります。社外取締役をやってみたい、新しいビジネスを立ち上げたいといったwillの実現に向かって、can から始めてみてください。

(構成/執筆 魚住大介)